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平成23年1月19日
鉛蓄電池内臓中古品輸出について(経済産業省及び環境省より)
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鉛蓄電池は、産業用として自動車、フォークリフト、非常電源などに広く使われており、近年、鉛蓄電池を内蔵する中古品が輸出されています。これらのような中古品に内蔵されている鉛蓄電池には寿命があるため、日本で既に使用された中古品が輸出される際、鉛蓄電池を内蔵する中古品が既に機能していない可能性の他、その鉛蓄電池の残寿命が短く交換の時期がきてしまい、輸出の過程において機能しなくなる可能性があります。事実、税関が行う最近の開披検査において、無停電電源装置(※1)等の鉛蓄電池を内蔵する中古品が機能していない事例が散見されています。
このように機能しない貨物が中古利用名目で輸出された場合、それら貨物は、相手国において中古使用が不可能であるものと判断されかねません。更に、仮に、相手国で中古使用が不可能であるものと判断された場合、内蔵している鉛蓄電池については、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分に関するバーゼル条約(以下、「バーゼル条約」という。)において、リサイクル又は最終処分される使用済鉛蓄電池の輸出入が規制されていることから(※2)、その輸出が、バーゼル条約で認められていない不法輸出と判断され、国際問題に発展するおそれがあります。
このため、経済産業省及び環境省では、今後、鉛蓄電池を内蔵する中古品の輸出に係る事前相談では、これまでの一般的な中古品の輸出に係る事前相談の際に書類による証明を求めていた、
1) 破損や傷、汚れがないか(写真)
2) 荷姿(破損しないように適切に梱包されているか;写真)
3) 買取価格(入荷伝票)及び輸出価格(契約書等による取引の事実関係)
4) 輸入国において当該製品の中古市場があるか
(輸入国における販売店の名称、住所及び写真)
の確認事項に加え、
5) 内蔵されているバッテリーの種類の確認
6) 鉛バッテリーを内蔵している場合、中古品として再利用できるかどうかを確認するため、輸出前に全量が機能動作することの確認を行っていること及び動作しないものは除去されていること(例えば、通電といった動作確認の方法及び結果の説明並びにその動作確認時の写真)
を求めることとします。
ついては、鉛蓄電池を内蔵する中古品の輸出に係る事前相談に際しては、上記事項を示す資料の提出が必要となりますので、御周知方お願いします。
また、鉛蓄電池を内蔵する中古品の輸出であるが、輸送時の安全性等(例えば、不必要な動作を防止する等)の観点から鉛蓄電池を取り外すものの、同一貨物として輸出する場合においては、当該輸出に係る事前相談における確認事項は、「(参考)使用済鉛バッテリー輸出に係る事前相談について」ではなく、本お知らせによるものとします。ただし、数や型式の整合性及び中古品本体とセットで輸出されることを写真等により、あくまで、使用済鉛蓄電池単体の中古品としての輸出ではなく、当該電池を内蔵する中古品の一部品としての輸出であると証明できうる場合に限ります。
(※1)
例)無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)内蔵されている蓄電池に常時電力を蓄えておき、商用電源がとぎれても電力を送り続ける装置。UPS
には、蓄電池、ファン、フィルタ、ヒューズなど消耗品が含まれており、一般販売品(汎用品)には、小型制御弁式鉛蓄電池が主に使用されています。この蓄電池の寿命は、負荷の大きさや周囲温度等によって異なるが、大別して1〜3年のものと2〜5年あるいはそれ以上のものがある*とされています。
* http://www.jema-net.or.jp/jema/data/06-ups02.pdf
「情報化社会に安心を与えるUPS」(社)日本電機工業会
(※2)
リサイクル又は最終処分の目的で輸出入される使用済鉛蓄電池は、鉛や硫酸の有害物を含有しており、途上国において未熟な技術によりリサイクルされた場合、環境汚染等を引き起こすことが懸念されるため、バーゼル条約を国内で履行するための特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(バーゼル法)でも輸出入が規制されています。
(参考)使用済鉛バッテリー輸出に係る事前相談について使用済鉛バッテリーについては、平成18 年4 月28 日付の「使用済鉛バッテリー輸出に係る事前相談について」において、経済産業省及び環境省では、リサイクル目的の使用済鉛バッテリーが中古利用名目で輸出されることのないよう、事前相談時に使用済み鉛バッテリーが輸出先国において確実に中古利用されることの詳細確認を行うこととしています。
中古利用目的の使用済バッテリーの輸出の事前相談に際しては、下記事項を示す資料の提出を輸出業者等に求めています。
@ 中古利用が可能なものを収集・選別していること(収集及び選別方法の説明)
A 外観に破損がないこと(写真)
B 輸出前に全量の通電検査を行っていること及び通電しないものは除去されていること(通電検査方法及び検査結果の説明(メーカー、型式、製造年及び測定結果等)及び写真)
C 屋内で適切に保管がなされていること(保管方法の説明及び写真)
D 適切に梱包・積載されていること(梱包・積載方法の説明及び写真)
E 輸出先国の販売店等の名称、住所及び写真(※申請者自身による実態の確認に加え、原則、環境省より相手国政府に照会)
<連絡先>
経済産業省産業技術環境局環境指導室
電話03-3501-4665(直通)
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部適正処理・不法投棄対策室
電話03-3581-3351 内線6886
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